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経営全般

経営者保証改革の動きと今後の資金調達の変化

経営者保証改革の動きと今後の資金調達の変化

1. 背景:なぜ「経営者保証改革」が必要なのか

従来、中小企業が銀行融資を受ける際、多くの場合、代表者による連帯保証(経営者保証)が求められてきました。これは債権回収や情報の非対称性を補う目的がありましたが、一方で経営者やその家族への過重なリスクや再挑戦の妨げ、事業承継や事業再生の停滞などの課題が指摘されています RIETI税理士紹介センター ビスカス≪公式≫

そのため、政府・金融庁・経済産業省・財務省が連携し、経営者保証への依存を見直す取り組みを進めています。


2. 主な取り組み:経営者保証改革プログラムの内容

● 「経営者保証に関するガイドライン」(2013年制定)

保証徴求の基準や、事業承継や廃業時の特則などを定め、個人保証のあり方を明文化しました RIETISCBRI

● 改正監督指針の導入

2023年4月より、金融機関が経営者保証を求める際には、「なぜ保証が必要か」「どんな改善で保証が外せるのか」を事業者に個別・具体的に説明し、それを記録・報告することが必須に。この説明・記録が行われた融資件数と、無保証融資件数の合計を100%に近づけることが目標とされています SCBRIproducts.kinzai.or.jp

● 経営者保証改革プログラムの公表(2022年12月)

① スタートアップ・創業時の保証免除
② 民間融資における説明・記録の徹底
③ 信用保証付き融資の見直し
④ 中小企業のガバナンス強化
を4つの重点分野に掲げ、官民で支援体制を構築する方針が示されています 金融庁kanae-keiei.co.jp経済産業省財務省


3. 現在の進捗:保証不要の融資、広がりを見せる

● 比率の推移と最新データ

  • 2023年度(通期):無保証融資+適切な説明・記録あり融資の合計が 94.7% に達した 金融庁

  • 2024年度上半期:保証不要・記録あり案件を含めた割合は 98.8%経済産業省

  • 2024年度通期:預け数データでは、無保証融資のシェアが 47.5% に上昇 金融庁+1

  • 全体数で見ると、無保証融資件数は100万件を超えているなど大きく前進中 金融庁+1

● 業態別の状況も改善

詳細な業態別データや銀行ごとの取組状況は金融庁のPDF資料で公開されており、特に信用金庫・信用組合の情報も2024年度分から追加されています 金融庁


4. 今後の資金調達の変化と注目点

新たな潮流:保証に頼らない資金調達の定着

  • スタートアップや創業企業においては、代表者個人への保証なしでの資金調達がより可能に → 起業への壁が下がる期待。

  • 既存事業者には、説明義務と記録の徹底により、「納得できる融資プロセス」が整備され、透明性と信頼性が向上。

今後のポイント

  • 全件合計100%達成への道程:金融庁は「無保証+説明記録ありの割合」を積極的に100%へ近づけるよう促しています 経済産業省

  • 地方金融機関や政府系・民間系など、各金融機関ごとの取り組み差の是正・情報開示の充実に注目。

  • ガバナンス強化や保証解除条件の整理など、事業者側の体制整備と自己変革を促す政策も鍵。

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