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財務責任者(CFO)が不在の会社に起こりやすい問題とは

財務責任者(CFO)が不在の会社に起こりやすい問題とは

―中堅・中小企業こそ“財務の空白リスク”に要注意―

多くの中堅・中小企業では、オーナー社長や経理部長が財務を兼務し、専任のCFO(最高財務責任者)を置かないケースが少なくありません。しかし、成長局面や外部資金調達、M&Aを見据える段階では「CFO不在」が深刻な経営リスクとなりやすく、放置すると経営判断の質そのものに影響します。

本記事では、CFOが不在の企業で実際に起こりやすい問題と、その背景を整理します。


1. 経営判断のスピードと質が低下する

CFOは財務データをもとに「どこに投資し、どこを削減するか」を可視化する役割を担います。
不在の場合、以下のような問題が生じがちです。

  • 資金繰り試算が不十分で、投資判断が“勘”に依存する

  • 中期経営計画に財務裏付けがなく、戦略が形骸化する

  • 事業別の利益構造が把握できず、赤字事業の撤退判断が遅れる

結果として、経営スピードの低下につながり、競争環境が厳しい市場では致命的です。


2. 資金繰り管理が属人的・短期的になる

CFO不在の企業では、資金繰り管理が経理担当者や社長に集中し、属人化・短期化する傾向があります。

  • 月次でしか資金繰りが管理されない

  • 手許資金の適正水準が定義されていない

  • 借入返済・設備投資・賞与などの山谷を織り込んだ“中期資金計画”がない

この状態では、外部環境の変化や不測の出費に対応しにくく、資金ショートの危険性が高まります


3. 銀行や投資家とのコミュニケーションに弱い

金融機関や投資家は「数字で語る」姿勢を重視します。
CFOがいない場合、

  • 提出資料の品質にばらつきがある

  • 資金調達ロジックが曖昧で、交渉力が弱い

  • モニタリング指標(財務コベナンツ)への認識が甘い

といった問題が生じ、信用力の低下や不利な条件での借入につながります。


4. M&A・資本政策における意思決定が遅れる

事業承継、外部資本導入、買収・売却など、企業価値に影響する意思決定には高度な財務的知識が不可欠です。

CFO不在の企業では、

  • 企業価値評価(バリュエーション)を理解できない

  • スキーム選択の税務インパクトを把握できない

  • DD(デューデリジェンス)に必要な財務資料を迅速に揃えられない

といった問題が起こり、有利なオファーを逃す、交渉力を落とす、税負担が増えるなどのリスクが高まります。


5. 経営管理(管理会計)が機能しない

多くの企業では、P/L中心の“会計の延長線”の管理に留まりがちです。CFOがいないと、

  • KPI設計が不十分で、管理指標が形だけになる

  • 予実管理が形式化し、改善アクションにつながらない

  • セグメント別採算が把握できない

結果として、利益改善のサイクルが回らず、経営の実態がブラックボックス化します。


6. 税務リスクが顕在化しやすい

税務は「過去の数字」ではなく「未来の取引」でも発生します。
CFO不在だと、

  • 新規取引の税務影響(国内税務・国際税務)が十分に検討されない

  • 税務調査対応の資料整備が不十分

  • グループ内取引や移転価格リスクを把握できない

など、意図しない税負担やペナルティを受けるリスクが増大します。


まとめ:CFO不在は“見えない経営リスク”

CFO不在は、日常では目に見えないものの、重要局面で大きな経営判断ミスにつながる“潜在リスク”です。

  • 経営判断の質低下

  • 資金繰り不安

  • 銀行・投資家との関係悪化

  • M&Aや資本政策での判断遅れ

  • 税務リスク顕在化

こうしたリスクを避けるためには、**外部CFO(非常勤CFO)**の活用や、財務人材の段階的な育成など、「財務の専門性を社内にどのように確保するか」が重要になります。

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