M&Aアドバイザーが“最初の30日”でやるべきこと

(案件受任〜着手フェーズの実務)


1. なぜ「最初の30日」が勝負なのか

M&Aは、
👉 最初の設計で9割決まる

と言っても過言ではありません。

この30日で:

  • 案件の質(=売れるかどうか)
  • バリュエーションの方向性
  • 買い手のレベル
  • 成約スピード

がほぼ決まります。

👉 逆にここをミスると
「売れない案件」「価格が出ない案件」になります。


2. 全体像(30日のロードマップ)

Week1〜4の流れ

期間 やること
Week1 事実把握・ヒアリング
Week2 財務整理・論点洗い出し
Week3 ストーリー設計
Week4 ティーザー・IM作成

👉 ポイントは
「資料作成」ではなく「戦略設計」


3. Week1:徹底ヒアリング(ここで8割決まる)

やるべきこと

  • 経営者インタビュー(2〜3時間×複数回)
  • 事業構造の理解
  • 収益ドライバーの特定
  • リスクの洗い出し

重要な質問(本質)

ただの情報収集ではダメです。

👉 必ずここを聞く:

  • 「この会社の強みは何か?」
  • 「なぜ今売るのか?」
  • 「誰に買ってほしいのか?」
  • 「譲れない条件は?」

プロの視点

👉 表面の話はほぼ嘘 or 美化されている

なので:

  • 数字で裏取り
  • 現場感の確認
  • 違和感の深掘り

が必須


4. Week2:財務整理(“売れる形”に変える)

ここが税理士・財務コンサルの腕の見せどころです。


やること

  • 正常収益力の算出
  • 不要コストの除外
  • オーナー依存の調整
  • キャッシュフローの再構築

典型的な調整項目

  • 役員報酬(過大・過少)
  • 私的経費
  • 一過性費用
  • 関連会社取引

👉 ポイント:

「会計上の利益」ではなく
「買い手が評価する利益」に変換する


5. Week3:ストーリー設計(最重要)

ここができないアドバイザーは二流です。


やるべきこと

👉 “なぜこの会社を買うべきか”を言語化


良いストーリーの構造

  1. 市場成長性
  2. 競争優位性
  3. 収益再現性
  4. シナジー可能性

NGパターン

  • 単なる会社説明
  • 過去の実績だけ
  • 自慢話

👉 正解は:

「買った後にどう儲かるか」を描くこと


6. Week4:資料作成(ティーザー&IM)

ここで初めて“資料”です。


① ティーザー(匿名資料)

目的:

👉 興味を引くことだけ

内容:

  • 業種
  • 売上規模
  • 強み(1〜2点)
  • 売却理由(ぼかす)

② IM(インフォメーション・メモ)

目的:

👉 本格検討させる


IMで差がつくポイント

  • ストーリーと数字の一貫性
  • シナジーの具体性
  • リスクの整理

👉 NG:

「資料がきれい」だけのIM

👉 正解:

「買いたくなるIM」


7. この30日で絶対にやってはいけないこと

これはかなり重要です。


❌ とりあえず資料作る

→ 戦略がないまま進む


❌ バリュエーションを急ぐ

→ 安売り or 売れない


❌ リスクを隠す

→ DDで破綻


❌ 買い手リストを早く出す

→ ミスマッチ量産


👉 これ全部、現場でよくある失敗です


8. 成功するアドバイザーの共通点

結論これです👇


① 事業理解が深い

→ 業界・構造まで見る


② 財務を“加工”できる

→ 見せ方を知っている


③ ストーリーを作れる

→ 買い手目線で考える


④ 経営者の本音を引き出せる

→ 信頼関係


👉 つまり:

「営業」ではなく「戦略家」


9. まとめ

M&Aの最初の30日は:

👉 準備ではなく“設計”の期間


この期間でやるべきは:

  • ヒアリング
  • 財務再構築
  • ストーリー設計

そして最終的に重要なのは:

👉 「この会社を誰に、いくらで売るか」ではなく
「なぜこの会社を買うべきか」を作ること


10. 一言でいうと

👉 「最初の30日で“売れる会社”に変えるのがM&Aアドバイザーの仕事」

中小企業のM&Aのお問合せ

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    CAPTCHA