美容・サロン業界のM&A
ブランド力と従業員の定着率が企業価値を左右する
近年、美容室・エステ・ネイル・アイラッシュなどの美容サロン業界でM&Aが増加しています。
背景には次のような要因があります。
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オーナーの高齢化による後継者不足
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人材不足の深刻化
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多店舗展開企業による業界再編
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ブランド力のあるサロンへの投資ニーズ
しかし、美容サロンのM&Aでは通常の会社とは異なる評価ポイントがあります。
それは
**「ブランド力」と「従業員の定着率」**です。
本記事では、美容・サロン業界のM&Aにおいて企業価値を左右する重要なポイントを解説します。
美容サロンの企業価値は「人」で決まる
美容サロンのビジネスモデルは、製造業やIT企業とは大きく異なります。
多くの場合、売上の源泉は
「技術者=スタッフ」
です。
つまり、
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スタイリスト
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エステティシャン
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ネイリスト
などのスタッフが離職すると、売上も同時に失われる可能性があります。
そのため、買い手企業が最も重視するのは
「スタッフがM&A後も残るか」
という点です。
ブランド力が企業価値を高める理由
美容サロンのM&Aでは、ブランド力が強い店舗ほど高い評価を受けます。
ブランド力とは単なる知名度ではなく、次のような要素を含みます。
1 指名客の多さ
美容業界では「指名客」が重要です。
例えば
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スタイリスト指名率
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リピート率
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顧客カルテの管理
などがしっかりしているサロンは、安定した売上が期待できます。
2 SNSや口コミの評価
近年はSNSが集客に大きく影響します。
特に重要なのは
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Instagram
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Google口コミ
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ホットペッパーの評価
などです。
オンライン評価が高いサロンは、広告費をかけなくても集客できる資産を持っていると言えます。
3 地域ブランド
地域で長く愛されている店舗も高く評価されます。
例えば
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地域密着型サロン
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高単価の美容室
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特定技術に強いサロン
などです。
このような店舗は、価格競争に巻き込まれにくいという特徴があります。
従業員の定着率が最重要指標
美容サロンのM&Aでは、スタッフの離職リスクが最大の課題です。
もしM&A後に主要スタッフが退職すると、
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売上減少
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顧客離れ
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店舗価値の低下
が起こる可能性があります。
そのため買い手は次のようなポイントを確認します。
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スタッフの勤続年数
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離職率
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歩合制度
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労働環境
つまり、人材が安定しているサロンほど企業価値が高くなるのです。
美容サロンのM&Aでよくある評価方法
美容業界では、一般的に次の方法で企業価値が評価されます。
EBITDA倍率
営業利益+減価償却費をベースに評価する方法です。
美容サロンの場合、
EBITDAの2〜4倍程度
が一つの目安になることが多いです。
ただし次の要素によって大きく変わります。
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店舗数
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ブランド力
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スタッフ定着率
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収益の安定性
高く売れるサロンの特徴
M&A市場で評価が高いサロンには共通点があります。
1 オーナー依存が少ない
オーナーが現場に立たなくても回る店舗は評価が高くなります。
2 スタッフの育成制度がある
教育体制が整っているサロンは、長期的に人材が確保できます。
3 集客の仕組みがある
例えば
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SNS運用
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自社予約システム
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会員制度
などです。
まとめ
美容サロンM&Aの価値は「ブランド×人材」
美容・サロン業界のM&Aでは、
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売上
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利益
だけでなく、
ブランド力と従業員の定着率
が企業価値を大きく左右します。
つまり、美容サロンを将来高く売却するためには
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強いブランドを作る
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スタッフが長く働く環境を整える
ことが重要です。
美容業界は今後も業界再編が進むと予想されます。
そのため、経営者にとって
「M&Aを見据えた経営」
はますます重要になるでしょう。
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